【ヨット】ノーザンライツ【セーリング】 勝納リポート 平舘海峡編 第24回青函カップ 忍者ブログ
セーリングチーム『ノーザンライツ』の公式ブログです。ノーザン一味が小樽の海で繰り広げるヨットにまつわる出来事をお届けします。 ※水路業務法第24条による表記:下記画像は海上保安庁情報部製作W28の一部を使用しています。
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青森の朝  先週末から遠征へ行って参りました、青函カップから帰還しましたので、レースリポートをお届けします。
レース前日の15日は、大潮にもかかわらず非常に穏やかな津軽海峡を今回お世話になった『ペガサス』のオーナーK野さんご夫妻と『ペガサス』のメンバーI伏さん、『ドルチェ』のオーナーW松さん、一緒に小樽から参加したK股さん、そして私の6名で青森へ船を回航しました。
 青森では、石巻チームのK地さんとK股さんがすでに陸路で港についていて遅い昼食の後、選手会に参加して盛り上がりましたが、早朝に函館を出港した為に皆さん寝不足気味のようで、
早々に就寝となりました。
 翌朝、早めに目覚めた私は岸壁前の公園で顔を洗い西よりのそよ風を感じながら少しの散歩をして皆さんが起きてくるのを待ちました。
七時過ぎに皆で近くの朝市で朝食をとり、さっそく出港準備にとりかかり、九時前にスタート海面へと向いました。
風は少し北に振れて風速3mほどのそよ風です。重量のあるグランドソレイユには苦手な風ですが、走れない風ではありません。
1000に定刻どおりスタートしましたが、リコールの合図をゼネリコの合図と勘違いして3分ほどロスしてしまいました。一同非常にガッカリした気分になりましたが、十数時間続くであろうレースで数分のロスは充分挽回可能ですし、船の性格もトップ集団を走るスピードボートではありませんので気をとりなおして陸奥湾の中でのビーティングレグを走ります。
天気予報では、梅雨前線が秋田・青森近辺にあり北上が予想されていました。前線に置いて行かれると風は期待できない状況です。なんとか前線の前に出て北よりの風を掴みたいところでしたが、午後からは風速も風向も安定しなくなりまさに風に置いて行かれた状態になってしまいました。
 ナビゲーター役のI伏さんはチャートテーブルのパソコンを睨み続けて逐一自艇の状況と先頭集団のなかのAIS情報をデッキへ伝えてくれますが、いかんせん風が弱すぎです。振れ回るそよ風と格闘していましたが、夕方になって東よりの風が入ってきてジェネカーを上げます。しかし大きく距離を稼げるほど長くは続かず、仏ケ浦が視界からあまり動きません。津軽半島側を見ると、まだまだ竜飛岬は遠い感じです。大きく悪い潮にあたって居る訳ではないのですが、他艇はほとんど視界から消えてしまっていて神経戦が続きます。

a33f118f.jpeg 日が暮れても状況は変わらず、とぼとぼと走るしかありません。そして竜飛岬が確認できたのは真夜中’近くになってからでした。
いよいよ津軽海峡にさしかかっても風は相変わらずで、艇速は伸び悩みです。船のスピードメーターとGPSの対地速度に注意していましたが、悪い潮を察知できませんでした。東からこちらへ向ってくるヨットの舷灯が見えて来ましたが、こちらとの位置関係がどうも理解できません。ふらふらと向きを変えているようにもみえます。クローズを走っていましたが、相手も同じタックでこちらの後ろを通って西へ向って行きました。暗がりの中でセールの形はなんとなく認識できましたが、船体までは見えません。不思議に思っていたのですが、次のタッキングの後自艇の航跡をワッチしていたI伏さんから「後戻りしとるで」との声。驚いて航跡をチェックすると、北へ向っていた航跡は大きく東へ曲がり大間どころか佐井村方面へ流されていました。これは痛恨のミスでした。
 もっと早くこの事態に気がつくべきでした。およそ2時間はロスしてしまったはずです。この最悪の潮から脱出して津軽海峡の真ん中あたりへさしかかると、I伏さんから海峡を通過する大型本船が近くにいるとの情報がきました。ガスがかかり、視界はあまりよくありません。こちらの艇速は1〜3ノット弱で、急に現れた本船を避けることができないかもしれません。時々セールを懐中電灯で照らして見えない相手にこちらの存在を知らせます。相手は当然レーダーを積んでいるはずですが、こちらの船をどう認識しているかはわかりません。何かの漂流物とおもわれてもおかしくない速度で進んでいます。幸い、行き会いそうになった船のすべてがこちらを避けてくれたので亀のようなスピードで海峡をわたることができました。
 竜飛の灯台が徐々に見えにくくなり、北海道側の灯台が見えてきたのは夜半もすぎて夜明けに近い時間でした。潮で東へ流されることを考慮して木古内方面へ向っていましたが、その後大きく潮の影響は受けませんでした。むしろ反流でいくらか西へ流れているようでした。
夜が明けてきて明るくなると、はるか前に2艇後ろに1艇のヨットが確認できました。後ろの船はじりじりとこちらに追いつき、青森のTというヨットであることがわかりました。長くゆっくりの夜がビリで走っていた訳ではなかったことに安心しました。夜が明けるとガスも晴れてきて函館山も見えてきましたが、当然なかなか近づきません。風は相変らず弱く不安定で私の仕事はもっぱら暴れるブームを抑える作業になりました。残りの距離をI伏さんに聞き、時計を眺める事数時間、フィニッシュマークが見えてきたころに少しだけ風がきました。緩い上りの風です。
 風が変わるたびに抜きつ抜かれつの攻防を後ろからきたTチームと繰り広げてきましたが、この風で2艇ともフィニッシュできそうです。当然こちらのデッキではTに負けるな!という空気になり、舵を持つK股さんもチカラが入ります。しかし風は軽風です、足の速いTチームにあえなく下突破されてしまいました。それでもタイムリミットまで約30を残してフィニッシュできました。多分オーナーを含め乗員の皆さんのほとんどが夜半過ぎにはフィニッシュを諦めていたと思いますので、フィニッシュできた感慨はひとしおでした。
 実は日暮れ前に午後10時に平舘を抜けていなければ、リタイアする旨の通達がオーナーからなされていて、午後10時のロールコールの時にコミッティーに対してリタイアの宣言をする手はずでした。
しかし、ロールコールの呼び出しを待っている数分の間にそよそよと吹き出した風にK股さんが「やりましょう!」と提案したことで続いたレースでした。オーナーの頭の中ではその後もリタイアのタイミングを計っていたことと思いますが、レースを続行していただいたことに感謝しています。
着順は最下位でしたが、修正で9位でした。潮で流された2時間が悔やまれます。

k野オーナー、奥さん、お世話になった皆さん有り難うございました。
 来年はどんな形で参加できるかまだわかりませんが、また津軽海峡を渡りに行きます!

オフィシャルのレースリポートはこちらです。
www.aomoriyacht.com/seikan/#info2011


※少しだけ、レースの模様をビデオに撮りました。近日中にUPできると思いますのでおたのしみに。
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おつかれさまでした
もう、疲れは抜けましたか?
見習いセーラー 2011/07/20(Wed)20:09:27 編集
無題
はい、レース終了後オーナー夫妻から手厚いおもてなしをして頂いたこともあって、疲れはさほどでもありません。
ご声援を頂いたノーザンの皆さん、ありがとうございました。良い成績を取ることは出来ませんでしたが、フィニッシュできたことはオーナーも喜んで貰えました。褒美に頂いたビールは、格別にうまかっです。
覆面セーラー一号 2011/07/20(Wed)21:49:33 編集
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