【ヨット】ノーザンライツ【セーリング】 勝納リポート IBSR 2011 第4戦 浜益レース 忍者ブログ
セーリングチーム『ノーザンライツ』の公式ブログです。ノーザン一味が小樽の海で繰り広げるヨットにまつわる出来事をお届けします。 ※水路業務法第24条による表記:下記画像は海上保安庁情報部製作W28の一部を使用しています。
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SANY0007.jpg   週末の25日夜から26日にかけてJSAF外洋北海道札幌フリートのシリーズ戦がおこなわれました。訳があって昨年度からJSAFへの艇登録を休止しているノーザンですが、今回のレースにはオープンで参加させて頂きました。
 25日の2110スタートで片道約30マイル往復60マイルを夜通し走るレースです。日中から風は弱く方向も安定しないコンディションで、天気図を見ても25・26両日ともいい風は期待できない雰囲気でしたが、キャプテン以下ノーザンの精鋭たちは夕方以降三々五々集まりだして予定どおり2030にスタート海面へ向いました。
 スタートラインはコミッティーボートのフラッグと小樽港の白燈台との見通しと決められていましたが、夜の海ではコミッティーボートのフラッグも燈台の形もよく見えません。参加艇が5艇とこじんまりしたレースでしたが、見通しのきかないスタートラインはそれなりの緊張感が漂っています。風は軽風、ラインを流しアプローチしますがフリーのスタートのラインで、間合いが計れずラインから出てしまいました。I旗の30秒前にどうにか戻り、2番手のいい位置からスタートできました。今回のナビゲーター、ハンディGPSは、オーナーのG藤さんと紙のチャートプロット係AM野先生ともに(当然ですが)目標の折り返し地点までコンパス方位35度と出ています。緩い上りで35度を走りますが風はいつしか微風以下、しかも風の方向も安定しません。振れ回る風に合わせてブームを出したり入れたり真面目なトリムを心がけました。GPSによる折り返し地点到達時間は25時間後。艇速を見る迄もなくスピードがありません。こんな状態ではいつレースを諦めるか考えることになりそうです。
 しかし、きっかけは数時間後の南からのそよ風でした。他艇よりもいち早く南風を察知できたノーザーンはランニングで前を走る艇との距離をつめてひたひた走り、ハッキリと吹き出した風はさらに東へ振れて7〜8mまで吹き上がりました。各艇アビームで走り出すとさすがに皆さん速いです。参加艇の中で一番小さくて一番古いノーザンはいつしか一番最後になってしまいました。それでもほとんどの艇の航海灯が目視できる位置をキープできていて、陸側沖側に別れた艇団の真ん中を35度を目指して走ります。風はさらにいい感じになって、メーターで8〜9ノット素晴らしいスピードです!潮に乗っていたようでGPSでは10ノット超えも記録しました。
 先日の高速曳航を思い出しましたが、やはりセーリングで豪快なスピードは痺れます。

  一番前を走っている船の航海灯はいつしか見えなくなり、岸よりのコースを行った船も見失いました。視界には風下前方の2杯が見えていましたが彼らはどうも落とし過ぎのように思えます。
 こちらはG藤さんAM野先生のナビゲーションを信じて目標地点へバウを向け続けました。風は幾分前に振れ、緩い上りです。午前3時前に目的地近くに到達して皆でマークの上で光っているフラッシュライトを探しながら進みましたが、なかなか発見に至りません。視界に入って来たのは目的地の回航を終えて復路に入ったトップ艇です。マークは近いぞ! 間もなく残りすべての艇が視界に入ってきてさながらインショアのコースレースの回航シーンのように接近戦です。マークへのアプローチに入ると回航を終えた船がこちらへ向って来ます。こちらはスタボー、向こうはおそらくポートでしょうけど暗がりで位置関係をハッキリ確信できません。しかも艇速は8ノット前後で相手の行動もよくつかめません。大事をとって大きくベアしてマークへアプローチの予定でしたが、大きく落としたあとの目測を誤り、あわやマークタッチ!マークぎりぎりを通って一気にジャイブ、即座にラフしてアビームで帰りの210度を目指します。マークの回航は参加艇の中で一番最後でしたが、トップ艇との時間差は一時間も無いはずです。30マイルを走ってこの時間差ならレーティングを掛けた修正時間ではおそらく一位か二位です。帰りのコースでは風はさらに吹き上がりアビームでジブをNO2くらいまで巻いても若干オーバーパワーです。潮が向い潮でGPSでの対地速度は7ノットくらいです。他の船は沖出しコースで走っていますが、ノーザンとの距離はあまり広がらずトップ艇以外は視界の中にあります。
 いつしか夜が明けて0600過ぎにコミッティーから連絡があり、現在地を報告してトップ艇はじきにフィニッシュするであろうことを報告すると、陸からはトップ艇がまだ見えていない様子でした。
ほどなくしてオタモイの崖がこちらからも見えてきて、小樽の街はモヤがかかっているのが見えました。どうやら小樽沖は風が無いようです。案の定、残り18マイルを切ると風はしだいに弱くなり先行している船もすっかり止まって見えます。風の方向はアビ−ムでしたがキャプテンからスピンを出せと指示が出ました。スピンのアビームで前の船と確実に近くなり気持ちも高ぶってきましたが、都合の良い風は長くは続きませんでした。風はさらに弱くなり、スピンも孕まなくなりスピンを降ろして辛抱の神経戦になりました。右へ左へ後ろへ振れるかすかな風に合わせてセールをトリムし続けました。そしてまたもやきっかけは後ろからの風でした。弱いながらはっきりしたランの風を観音開きで掴みました。視界にあった3艇のうち2艇は既に後ろを走っています。前を行くMチームも観音開きで応戦してきましたがこちらを引き離すほどのパワーはありません。残り2マイルを切って北に振れた弱い風でフィニッシュマークを目指し、セールがふらふら揺れるほど弱い風の中を1100過ぎに14時間弱で60マイルを走りきりました。
 先行していたMチームとの時間差約10分は修正時間で充分すぎるほど勝っている時間でした。そして昨日JSAF外洋北海道のWEBで公開された成績表によるとファーストホームしていたはずのDチームがなんとDNF!  ノーザンは一艇だけのオープン参加なので順位は付けられていませんでしたが、優勝のMチームよりも良い成績で、ノーザンにとって実に久しぶりの良い結果となりました。
 参加された皆さん、お疲れさまでした。昨夜レース結果の速報をMLで流しましたのでさぞかしおいしいお酒が飲めたことと思います。次回のレースは8月の小樽カップになると思いますが、次回レース中の燃料はいかほどにしましょうか?



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またまたいい感じの文章、映像、BGMですね--。
芋焼酎ダブルロックで2杯いちゃいました。
ビデオを見ていると、船酔いで両手が痺れるぐらい気持ちが悪かったことなどすっかり忘れてしまいました。レ-スも楽しくブログも楽しい、一粒で2度美味しいなんちゃらら~~。
キャプテンはじめS籐さん、G籐さん、K田先生、K川さん、ありがとうございました。
ジブシ-トカッタ-1号 2011/07/06(Wed)00:18:13 編集
あれ?
船酔いしていたんですか?ぜんぜんわかりませんでした。
たしかに行きも帰りも波の悪い海面があって、船のスピードは出ないし乗り心地最悪な場面がありましたよね。
自分的には、今回のレースでフィニッシュの時に勝利の雄叫びをあげなかったことを非常に後悔しています。
覆面セーラー1号 2011/07/06(Wed)07:44:53 編集
ナイトレースは
虎の穴の面目躍如でしたね。ナイトレースは初めての経験でしたが、チャートテーブルのわずかな照明ではチャートの緯度経度を読み取るのが困難な目になっていたことに気づかされてしまいました。
見習いセーラー 2011/07/06(Wed)09:25:45 編集
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