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出港は予定どおり土曜日1800にご覧のとおり笑顔で出発しましたが、この後様々な試練と危機がこの5人のおじさん達に襲いかかってくるこことは、知る由もありませんでした。
出港前に2人と3人のチームでワッチの交代をすることと、雄冬岬の沖5マイルを変針点に決め交代で海図にプロットしていくことを決めて颯爽と出港しましたが、風は微風でした。
日中は小樽沖にいい風が入っていたので沖で風をつかめることを期待して機帆走にて雄冬沖をめざしました。フルスロットルで走りますが何故かスピードが上がらず、スピードメーターは4ノット弱です。船底が汚れているのかプロペラに異常があるのか、何にしても風が吹けば6ノット位は期待できますから機走で艇速が出ないことはあまり深く考えませんでした。
気温が高くなかったので、幻想的な夜光虫は期待していませんでしたがあまり多くはない夜光虫だけが私たちを歓迎しているかのような深い暗闇をノーザンは4ノットほどのスピードで進み、時間はゆっくり流れ夜半になっても吹かない風は翌朝まで期待できない気持ちになったところでワッチの交代になりました。
遅い夕ご飯は、各自持参の手はずになっていて私はレトルトのお米にレトルトの中華丼の具をかけて済ませました。冷えたカラダに温かい食べ物はやはりありがたいです。食後は次のワッチに備えて短い睡眠です。ヨットでは睡眠も仕事のひとつで、眠る時に眠っておかないといけません。外では弱い雨が降り出したようで、いよいよ風は期待できなくなりました。
2330からの三番方は寒くて湿った空気と時々くる弱い雨で相変らずメインだけで機帆走です。肩をだして寝ていたせいか、すっかり体も冷えてしまってKY川さんに頂いたカイロがとてもありがたかったです。マストトップの航海灯によってきた数羽の鳥としばらく一緒に走りますが、船足が遅くて自分でチャートを見に行く元気が出ませんでした。変針点へのコンパス方位だけを聞き極端にコースが違っていないか確認してワッチを続けますが、あまりの暗さにどこかで漁具の頭についているフラッシュライトの距離も定かではありません。晴れていれば見えるはずの遠くの街の明かりや燈台の明かりさえも見えません。黒くウエットで平坦すぎる3番方を終え濡れたカッパを吊るしてボンクへ入って再び睡眠です。
目が覚めると暗黒の空間がいくぶん明るなっていて、夜が明けている事をしりました。チャートを見ると変針点は通り過ぎ、残り10マイルほどです。最後は自分でチャートを引き増毛へのコンパスコースを出しました。入港予定時刻は0600頃です。後は時々ハンディのGPSを見ながら目的地へアプローチです。往路の最後のワッチですが、舵は相変らずKY川さんとM井さんにやってもらって文字通りワッチに専念しますが陸地はもやがかかっていて増毛の街がなかなか目視できません。巨大な崖が続く海岸線は景色がなかなか変わっていかなくて船が止まっているかのような錯覚に陥りますが、相変らずの微風の中を進みました。
やっと見つけた増毛の燈台と港の赤燈台ですが、港の入り口は進行方向からみてさらにむこうです。
近くで小さな漁船が作業しているので、注意して船をすすめてやっと港へアプローチです。
ワッチの休憩で休んでいたキャプテンとAM野先生も起きてきてオールハンズでセールを降ろし、桟橋へアプローチします。舵は当然キャプテンが持ち、もやいを持ってサイドデッキで桟橋へ飛び移る準備をしているとキャプテンが何か言っています。どうやらアクセルのリモコンが動かないようです。一度桟橋から離れてマリーナの外へ出てエンジンルームを開けたりリモコンボックスの裏を確かめましたが、原因がよくわかりません。しょうがないので桟橋の手前でエンジンを止めていき足だけで着岸する作戦にしました。この作戦はもちろん旨く行き、もやいを決めたあとは早速修理です。
キャプテンがリモコンボックス裏のアクセルワイヤーが曲がっているのに気がつき、曲がり加減を手で直したらあっさり直りました。どうなる事かと少し心配になった事件ですが小樽から12時間ほどで目的地へ到着です。
天気もよくなってきたので、各々濡れたカッパをブームに掛けて干して清々しい朝食タイムとなりました。その後0930まで自由時間となり広くはないマリーナの中を散策、頼んであったタクシーが少しだけ早く到着していよいよえび祭りに突撃です。
祭り会場へ到着すると、噂に聞いていた通りすごい人でで目当ての甘エビはすでに売り切れとのこと。しかしこのあと数量限定で販売されるらしくて整理券を求める人たちが行列を作っています。帰りの出港時間が決まっているので何時間かかるかわからない行列に並ぶこともできず、屋台や出店を見て歩いて昼食にえび丼を買って現地の芝生の上で食べました。天気は晴れ渡り、風はそよ風以上の強さで吹いてこの後のセーリングは楽しい時間になる予感が後頭部の下からふつふつと涌いてきて味覚さえも刺激します。そして昼食の後に短い昼寝をすることは、午後からの仕事の効率を考えると実に合理的で、おじさん5名で一斉に昼寝タイムです。この中の一人の寝入りっぷりは見事で、お祭りの関係者の方が心配になって様子を見にきたほどでした。
ほどなく増毛マリーナへ戻るタクシーが迎えにくる時間となり、みなさん出店で買った地酒やお菓子を抱えてタクシーに乗り込みました。
マリーナで出港準備をしていると、となりのバースにヨットが帰って来たのですが風が強くてうまくバースに入る事ができずに苦労している様子です。着岸のお手伝いをしていよいよこちらも出港です。お隣の船の方が見送りに手をふってくれました。陸の上ではよほど親しい関係かよほど強い思いがなければお別れの挨拶に手を振ったりしないのですが、海では普通に手をふりますね。
こちらも手を振り挨拶をして増毛のマリーナを旅立ちました。
=========== 次回へ続きます。 =================
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